ICCトヤマの活動

平成29年 10月 見学会 『伝統技術と職人の志を五感で味わう』

日 時 平成29年10月11日(水)
場 所 (株)能作
アフターセミナー : (株)能作にてお弁当
参加人数 会員 21名 / 会員外 2名
アフターセミナー : 会員 21名 / 会員外 2名
全体写真

セミナー

当日は天気が良く、暑い日となりました。一番心配していた集合でしたが、9:30集合のところ、多くの参加者が9時過ぎに集まるという異例の事態で、とてもスムーズに移動が完了したことが とても助かりました。
 まずは、座学で放映された映像を見せて頂き、工場見学へと移りました。
工場のあちらこちらに掲げてある案内を示すプレートが錫で作られていました。錫で製作すると、 どうしてもつながってしまい、国語で習う漢字にはならないと聞いたが、それもまた愛おしく感じられました。錫、銅だけでなく、エレベーターの案内までもがスタイリッシュで、真っ白な壁に明るく広々とした工場。働いておられる作業員の方々の若いこと。これまでの工場のイメージが一新されました。筋肉モリモリの作業員に目を奪われた参加者多数。
仏具や花器などのが多くある中で、ドラえもんの風鈴に遊び心を奪われました。
インテリアコーディネーターという団体ということもあり、普段は案内されない応接室も見せていただきました。小泉誠さんデザインの家具が納められていました。
工場見学で一通り流れを勉強した後は、多くの方が楽しみにしていた製作体験です。
申込時に、ぐい吞み・小鉢・トレーの3種類の中からひとつ選んでもらっていたので、これも3班に分かれてスタートできました。木枠と土で型を作るのですが、全員真剣なまなざしで、 失敗したくないという思いから、「先生~」という声もよく聞こえ、先生の「魔法かけま~す」という言葉に感動、ひとつ素敵な言葉も勉強しました。
できあがった型に先生に錫を流しこんでいただきました。錫は、水の7倍の比重だそうで、2Lのペットボトルだと14Kgにもなるそうで、流しいれる腕にもかなり力が入っているのがわかりました。260℃の錫でしたが、あっという間に固まり、少し冷めるのを待ってから仕上げに入りました。仕上げの磨き方でも輝きが変わり、最後に裏に刻印を施して終了となりました。1時間半の予定が2時間近くになりましたが、個々のお気に入りが作れたのではないかと思います。また製作に訪れたくなるほど、楽しく有意義な体験でした。
昼食の後は、自由に館内、館外を見学する時間を設けました。ところ狭しと飾ってある、たくさんの木型。床に埋め込まれている真鍮の日本地図。錫のグラスで水を飲んだり、買い物をしたり、各々楽しんでおられ、大変満足のいく見学会でした。

セミナーの様子

アフターセミナー

昼食は、(株)能作で団体のみが予約できるお弁当を手配しました。
ショールーム内にカフェも併設されているので、食後に立ち寄ってもらってもいいよう通常は2,500円のところ、2,000円に抑え手ごろな価格にとどめておいたのですが、量の心配は不要であった上に、品数が多く、先ほど体験で製作したようなぐい吞みが器として使われており、使い方をレクチャーしてもらえたようで、とても親近感がわきました。その上、器も隣に座っている人とは違った形や色だったりと、参加者の目も愉しませてくれました。

アフターセミナーの様子

( 上田 記 )