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- ~スイス現代建築を巡る旅~ 4日目:バーゼル編・その2
~スイス現代建築を巡る旅~ 4日目:バーゼル編・その2
2011年8月17日いよいよ、世界の建築のミュージアムともいわれている、ヴィトラデザインミュージアムに到着しました!
ヴィトラ社は、イームズや、ジャスパー・モリソンなど世界的なデザイナーや建築家がデザインしたファニチャーを世に送り出し続けていて、1934年にスイスで創業。当時、vitra(ヴィトラ=ラテン語でショーケースの意味)は店舗什器の製造販売メーカーでしたが、創業者であるヴィリー・フェールバウムがアメリカ旅行中、ショーウィンドウに飾られたイームズのプライウッドチェアを見たことをきっかけに、1957年、ヨーロッパでの製造販売権を獲得し家具の生産に乗り出しました。
ここには、 フランク・ゲーリー、ザハ・ハディド、安藤忠雄らの建築など、11作家による建築があり、vitra社のコンセプトを表現しています。 (↓ヴィトラデザインミュージアム全体像。ちょっと分かりですが・・・・) ここでは敷地内にある建築物を巡るツアーを行っています。ドイツ語と英語でのツアーがあり、もちろん英語で、お願いしました。こういうとき、あ~、英語ができたらとしみじみ思います。。。ただ、ベテラン日本人ガイドさんのお陰で、その場で日本語へ通訳していただけたので、大丈夫でした。←オレンジ色のお洋服の方、ベテラン日本人ガイドさん。右の方が、ツアーの現地ガイドさん。
まず向かったのは、DOME(バックミンスター・フラー/2003移築)、正三角形を基本とされた、トラス構造のドームテント。「最小限のもので最大限を為す」というコンセプトのもと、設計されました。
奥のほうへ歩いていると、頭上に現れてきたのは、アルヴァロ・シーザのFACTORY BUILDING。1994年建造。工場と工場を繋ぐ、橋のように見える屋根。実はこの屋根、雨が降ると自動的に降下する仕組みになっていて、工場間を搬出入する際、雨に濡れるのを防いでくれるとのこと。この時だけは、雨が降ってきてくれたら!
なんてこと思いながら、奥のFIRE STATION へ。設計は Zaha Hadid, (ザハ・ハディド)1993年竣工。1981年に工場火災が発生したのをきっかけに消防署として建造され、95年まで実際に使用されました。なんといっても、建物先端の、つくつくが気になって仕方がありませんでした。ガイドさんいわく、先端は、重力により、年々下がってきているのだとか。。。。中には、シャワー室などもあり、インテリアも展示してありました。←空から
次は、いろんなカタチのBOXが積み重ねられたような、
フランク・ゲーリーのVITRA DESIGN MUSEUM。1989年竣工。当初、4,000点を超える椅子や家具を所有するヴィトラ・コレクションを保管、展示するプライベート・ミュージアムとして計画されていたが、フランク・ゲーリーのインパクトのある建物は話題を呼び、今では各種展覧会・巡回展の開催や、ミニチュアチェアの生産、若手デザイナーを育成するワークショップなど、多岐にわたるデザイン活動を行っているそうです。どの方向からみても一つとして同じようには見えない、そして、ユニークでありながら美しさを感じる建物でした。
そして、安藤建築初の海外作品である、CONFERENCE PAVILIONへ。(1993年竣工。)入り口に辿り着くまでの長い小道が特徴的な建物は、周りから隔離するため高い塀で囲まれたセミナーハウス。桜と共生することをイメージして設計されたランドスケープ建築の名作です。壁には、どうしても伐採しなくてはならなくなった、桜の木の葉の形が残されていました。安藤氏のメッセージがジーンと伝わってきた瞬間でした。
中も、もちろん外とのバランスを考えて設計されていて、道路が、中からみえないように、そして、いかにも車が、道路ではなく、陸の上を走っているかのように見えるよう、建物のレベルを考えられたそうです。(なかなか上手く伝わる写真がとれませんでしたが・・・スミマセン)
いよいよ、完成したばかりの、VITRAHAUSEへ。Herzog & de Meuron, (ヘルツォーク&ド・ムーロン)2010年竣工。Vitraホームコレクションを展示するショールームとして建設されたVitraHaus(ヴィトラハウス)。典型的な家を連想させる切妻屋根をモチーフにした、複雑な5層構造。椅子コレクションの展示や、ミュージアムショップ、カフェなどを併設し話題を集めています。すべてが、とにかくお洒落!!家具にも実際座って、その心地よさを感じることができます。時間がもっとあったら、丸一日いても飽きないであろう空間でした。ランチタイムのビールのビンのデザインまで、本当に細かいところまですべてがお洒落でした。
ICCトヤマでは、2年に1度、海外研修を企画してまして、miyaharaは今回で3度目の海外研修参加となりましたが、海外の本物の作品を、現地で実際自分の眼で触れられることは、本当に貴重な経験となっています。雑誌で見てるのと違い、スケール感、その土地の空気感を、五感で感じられます。また次回も、参加できるよう、毎日努めていきたいと思います。スイス現代建築を巡る旅、前半が終了となります。後半も引き続き、ご期待ください!! by miya
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